今西さんの門前道にある、古川さんの家の庭に楡の大木と立ち枯れた榎の老木の下に、石で積まれた五輪の塔があります。近所の人はここを「ちんぢんさん」と呼んで、今も大切に守っておられます。

もとは巳さんと言って、神様のお使いのへびがまつられ、白い大蛇が住んでいました。昔から、できものや腹痛の時にここへ来て拝むと治ったそうです。そのため、あちこちの村からもお参りする人がたくさんありました。

浜にはもう一つ「ちんぢんさん」があります。松林寺の北の土手の下に、きれいな水の湧き出る所があって、小さな祠がありました。

昔はこの小さな神社の水で身を浄めたり、まつりの時、南郷から浜へと獅子頭を受けわたして、神様をお迎えする習慣でした。ここも神の住む浄い所でした。

今は天竺川の改修で、湧水もかれてしまい古木が残っているだけですが、お年よりが時々、小銭をそなえています。