国際教育(2022年度)
国際教育へのあゆみ
本校は昭和42年(1967年)に「帰国子女教育研究協力校」に指定を受けて以来、海外に長期在留後帰国してくる児童の受け入れ校として、研究指定の名称は変わっても長年にわたり研究を重ねてきた。当初は世界中で5,000人前後であった義務教育段階の児童生徒の海外滞在も、いまや60,000人前後と大幅に増え、帰国児童教育に期待されるものも大きく変わってきた。
日本人学校や補習校が充実する一方、現地での誕生や幼児期からの海外生活等の理由から、滞在の長期化や日本の学校経験が全くない児童の増加が目立ってきた。また、国際結婚の増加に伴い、思考言語が日本語でない児童も増えている。個々の児童のニーズに応じたきめ細かな指導が必要になると共に、国際社会で活躍できる人材の育成が求められている。
そこで、平成18年(2006年)に文部科学省の「国際教育推進プラン」指定を豊中市が受けたことから、本校はその中核校として国際教育推進に取り組むことになった。帰国児童教育に取り組みつつ、「国際社会において、地球視野に立って、主体的に行動するために必要と考えられる態度・能力の基礎を育成するための教育」に歩をすすめている。
帰国・渡日児童教育の取り組み
① ねらい
1. 学校生活における不安の早期発見につとめ、情緒の安定をはかる。
2. 生活面、学習面のつまずきを把握し、その指導の充実をはかる。
3. 見学したり、体験したりすることにより、日本の文化や生活に親しませる。
4. 帰国児童の海外での生活体験を生かすとともに、全校児童の国際理解教育を深める。
5. 保護者への啓発をはかる。
② 指導について
1.学習時間における指導 (入り込み指導) 帰国・渡日児童が在籍するクラスヘ日本語指導・帰国担当者が行き、指導をする。入り込み指導は、主として助言という形で行う。内容は日本の学習方法や語彙・漢字の読み書きの説明、算数などが中心。 |
2.学習時間における指導 (抽出指導) 帰国・渡日児童が「あいあいルーム」(通称)へ行き、学習をする。学習内容は日本語、日本の教科の未学習領域をはじめ、基礎基本の学習から発展学習まで児童に合わせて行う。 |
3.課外時における指導 (放課後学習) 児童の実態に応じて学級指導終了後の放課後、週3回、「あいあいルーム」(通称)で実施する。実施回数は相談の上、決定する。 主に、算数、国語(漢字、文法など)、社会、音楽(鍵盤ハーモニカ、リコーダー)などの未学習部分の補修や不得意分野の学習を行う。特に、日本語指導の必要な児童については、適宜、個別指導を行う。 |
各学年の国際教育の取り組み(うえのワールドミュージアム 掲示物)2022年度
学年 |
テーマ |
掲示物についての説明 |
1 |
だいすき にほんのおはなし うた・あそび |
1年生は、お話やうた、遊びなど、日本に昔から伝わるものを知り、親しんでいます。 各クラスで日本に昔から伝わるお話を読み、その中の作品について感想を書き、掲示しています。
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2 |
知りたいな 知らせたいな! 世界のこと |
ねらいを「世界の国々に関心をもち、様々な文化があることに気づく。」と設定しました。 クラスごとに調べる国を決めて、食事、あいさつ、衣服、行事などの世界の文化について調べたことを掲示しています。
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3 |
人にやさしいくらし |
「校区探検」「バリアフリーとユニバーサルデザイン」「パラリンピック」「車椅子体験」などを通して、 「人にやさしいくらし」について学習してきました。 その中で学習したことをもとに、発見カードにまとめ、掲示しています。
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4 |
広げよう! エコライフ |
4年生は、社会科や総合的な学習の時間を中心に「環境」について学習をしています。 これらの学習をもとに「ごみ」や「水」などについて自分たちでテーマを決め、調べ学習をすすめてきました。 それらを新聞にまとめたものを掲示しています。
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5 |
生命を支える食 |
「食」に関わる人の努力と工夫により、わたしたちの食生活が支えられています。 日本や世界の食料問題を調べることを通して、世界全体で考えるべき食料問題への理解を深め、 自分たちなりに考えてまとめました。
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6 |
我々が切り拓く未来 |
総合的な学習の時間・社会科を中心に、平和学習を進めてきました。 修学旅行など今までに学んだことについて、自分たちができることや考えたことをまとめました。
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うえのワールドミュージアム 2022年度
テーマ 世界のことを知ろう、楽しもう(1・2・3年生)
世界のことを知ろう、考えよう(4・5・6年生)
ねらい ・上野小学校には、いろいろな国で生活していた経験のある友だちがたくさんいることを知る。
・世界のいろいろな国について知り、生活習慣や文化などに興味・関心を持つ。
・全学年の「国際教育」の取り組みを学ぶ。
期間 令和5年(2023年)1月20日(金)~1月27日(金)
※感染症予防対策により、保護者向けの一般公開はありません。
場所 多目的室・本館1階廊下
展示品
①帰国保護者が在留国から持ち帰られた 学用品・写真・玩具・民族衣装・民芸品など。教職員が持ち帰った民芸品など。
②今年度、各学年で取り組んできた国際理解教育・SDGsの取り組みをまとめたもの。
③国立民族学博物館の貸出用学習キット「みんぱっく」~アンデスの玉手箱 ペルー南高地の祭りと生活~
④とよなか国際交流協会の民族衣装
活動内容
①帰国保護者会から「世界の国の生活や文化」をテーマにしたクイズに答える。
②世界のいろいろな国から集められた展示品を見学したり、説明の資料を読んだりしながら、その国での生活や文化を学ぶ。
④1年生から6年生の取り組みを学ぶ。
③まとめ(感想など)
~多目的室の展示の様子~
子どもたちの感想(2022年度)
○(1年生)
・いろいろなしらないせかいを見るのがたのしかった。「こんなものもあるんだ~」とおもった。
・せかいじゅうにあるもの、ふくなどとてもすてきでした。見たことないものばかりでした。
・がいこくのお金を見ていろいろなかたちがあってすごいとおもいました。もようがきれいでした。
○(2年生)
・日本にあるものが外国にあって「え!あるんだ」と思った。
・しっているものもあれば、しらないものもあって、とくにお金や本が国らしさをあじわえた。
・もっとくにのことがしりたい、ことばもしりたい、ふくもきてみたいと思いました。
○(3年生)
・いしょうやつける物が国でそれぞれちがうんだなーと思いました。
・ほかの国の物を見たからその国のくらしがちょっとわかったかもしれない。
・時間せいげんがあって全ぶは見れなかったけど、学校のホームページでもっと見たいと思いました。
○(4年生)
・てんじ品を見て日本と同じように「文化」が世界の国々でたくさんあるんだなと思った。
・友だちの住んでいた国の物が知れてよかったです。
・1年生から6年生の調べたことを見て、とてもきょう味をもちました。
○(5年生)
・お母さんたちが出してくれたクイズを知らない人に教えてあげたいぐらい頭に残りました。
・それぞれの国の文化や特色にはちがいがいっぱいあるけど、その文化を大切にしている人々の思いは共通点だと思った。
・どの国もすばらしい文化があり、戦争をしていても、自分の国の文化を守り続けていたと思います。
この世界にいっぱいの国があり、いっぱいの文化があって。どれもちがって、おもしろかったです。
たとえ文化がちがって、別の国の人をもっと知りたいです。
○(6年生)
・インターネットで見るのと、実物を見たりさわったりするのはまったくちがうので、今回発見がいっぱいあって楽しかったです。
・6年間ワールドミュージアムでいろいろなことを学んでいるけど、毎回ちがう物が展示されていて、すごく役にたっていると思います。
ずっと続けてほしいと思います。
・まだまだ知らない国の文化はたくさんあるので、自分で調べたり海外で生活した人に聞いたりして、もっといろいろな国の文化を知りたいと思いました。
私も海外に行きたいと思いました。