で虹をつくろう

実験日:2026年3月9日(月)

 

卒業実験」として3年生最後の理科の授業で実施しました。

成功すれば4~6色の美しい「虹色」が完成します。

 

失敗すれば………

  1色になってしまいます。

 

ガスバーナーによる加熱,ろ過,ピペットの操作など,理科の実験の基本技能が試される実験です。

学習内容的には,「酸・アルカリと塩」の部分になります。

 

1.紫キャベツとは…

●キャベツの品種の1つです。

●よくサラダに入っているイメージがありますね。

●育つ土壌が酸性だと赤色,中性だと紫色,アルカリ性だと黄緑色になります。

  なので,赤キャベツと紫キャベツは同じ品種のキャベツになります。

  育つ場所によって色が変わるんですね~(アジサイもそうでした)。

●ちなみに「被子植物」で「双子葉類」に分類されます。

●アブラナ科なので,小さい黄色の花が咲きます(菜の花)。

 

2.紫キャベツは,なぜ紫色なのか…

アントシアニンという色素が含まれていることが原因です。

●アントシアニンは水に溶けやすい性質で,酸性やアルカリ性の強さによって色が多彩に変わります。

 

●上の表に出てくる「pH(ピーエイチ)」は酸性の強さを表すもので,pH7.0で中性でしたね。

●アントシアニンが色の原因となっている植物はたくさんあります。

  リンゴ,ブドウ,ナス,ブルーベリー,イチゴ,アサガオなど本当に「色々」です。

 

《アントシアニンが含まれる植物や果物の例》

 

 

●今回の実験の流れを簡単にまとめると次のようになります。

  ①紫キャベツからアントシアニンを抽出する(とり出す)。

  ②酸性やアルカリ性の薬品を混ぜ,見事な虹色をつくる。

 

3.実験方法

①紫キャベツ30gちぎり,ビーカーで煮る。

 ※水は100mL加える。

 ●アントシアニンは水に溶けやすいので,煮ると水にアントシアニンが溶けだしていく。

 

 

②煮汁をろ過する。

 ●加熱直後は,ビーカーが熱いので,冷めてからろ過をする。

 

 ●これでアントシアニンの指示薬が完成!

 

③これを大型試験管に6割程度入れる。

  

 

④炭酸ナトリウムの粉末を少量加える。

  ●加えた瞬間,紫色が緑色に変わった(下の2枚目の写真)。

  ●これは炭酸ナトリウムがアルカリのため。

   

 

⑤塩酸(酸性)を静かにゆっくりと加えていく。

  ●アントシアニンが酸性に反応して赤色に変わっていく。

 

 ●塩酸はかなり慎重に入れる必要がある。

 ●試験管の内壁にピペットを当てるとよい。

 (写真では赤色は確認できない。)

 

 

 

 

 

 

 

 

⑥あとはガラス棒でゆっくり入れ,ゆっくり大きく回し,ゆっくりと引き上げる。

  ●これをくり返すのみ。

 

 

4.実験の結果

●試験管の底に溶け残っていた炭酸ナトリウム(アルカリ)と,上から加えた塩酸(酸性)が絶妙に混ざり合って,試験管内に様々な液性(酸性・中性・アルカリ性)が生み出される。

●上手に操作を行えば,美しい虹色ができるというわけ。

 

 

  

 

酸とアルカリがお互いの性質を打ち消し合って,水と塩(えん)ができることを「中和」といいました。

●さて,今回の塩酸と炭酸ナトリウムの化学反応式を考えてみよう。

 

 塩酸(塩化水素が水に溶けたもの)…HCl

 炭酸ナトリウム…Na2CO3(ふくらし粉を加熱したときに残る固体)

 

 HCl + Na2CO3 → ???

 

 …ちょっと難しいですね。

 ヒントは,水と塩化ナトリウムと二酸化炭素ができることです。

 

正解は…

 2HCl + Na2CO3 → 2NaCl + H2O + CO2

 今回できる「塩(えん)」は「塩化ナトリウム」になります。

 

●みなさんの結果は,赤色が強い班,青色が強い班など,様々でした。

●みんな時間ぎりぎりまで,少しでも多くの色を生み出そうと取り組んでくれていました。

●全班の結果を横1列に並べてみました。

 

 

 

●無事,虹色の人生へ旅立ちですね!

●卒業式まであと少し…。たくさんの出会いと経験を積み重ねて,素敵な「自分色」をつくってください。

 

 

 (↑煮たあとのキャベツ。一部アントシアニンの色素が抜けたためか,緑色になっている。)

 

《イラストの画像データの取得サイト》

 ・紫キャベツ,リンゴ,イチゴ,ナス,ブルーベリー:イラストセンター

 ・アサガオ:Frame illust

◎編集:まつむら