4年2組学級通信  『心友』2020.2.17 №41より

                    

    情報教育の出前授業・講演会
 13日(木)に、今年も篠原先生をお迎えして、タブレットやスマホを使用する際の危険性、正しい使い方についてお話しいただきました。今の子どもたちというのは、家庭内にインターネットに繋がったテレビ、タブレット、スマホ、スイッチなどのゲーム機が身近にあり、自由に外の世界や人と繋がることのできる環境にいます。なので、当たり前のようにそれらを使っている人が多いですが、その危険性について、十分な知識を持たずに使っていることがほとんどです。
 まず、篠原先生は様々な有名なアプリを提示しました。すると、低学年でもほとんどの子どもたちがそれらのアプリを知っていて、見ただけで興奮していました。低学年でも知っている(使っている)アプリですが、そもそも、アプリにはそれぞれ利用年齢が定められています。その利用年齢が高いほど、危険性が高く、利用者の責任が伴ってきます。そして、万が一その年齢以下の人が使って、事件に巻き込まれた場合であっても、アプリ作成者側には何の責任もなく、すべて自己責任となります。たとえば、スマホを持っているほとんどの人が使っているLINEですが、今年の1月より対象年齢が5才以上から13才以上に引き上げられたのをご存じでしょうか(担任も知りませんでした)。LINEは乗っ取りが多い上に、個人情報やトークの内容が漏れたり、他のSNSと連動して、見知らぬ人から連絡が来ることもあります。実際、それで事件に巻き込まれたり、報道にトークの内容が出たりしていることはご承知のことと思います。もちろん、設定をきちんと行い、親が管理することでその危険性はなくなりますが、我々大人であっても、今回の講演会で安全な設定方法を教えてもらうまで知りませんでした。
 また、LINEやTwitter、インスタなどのSNS上でのつぶやきは、一度書き込んでしまうと消すことができず、ネット上のどこかに残ってしまいます。ちなみに、近年企業が人事採用の際にAIを用いるようになってきていますが、AIはその人の過去の書き込みや画像や動画などを、ネットの中から瞬時に発見できるそうです。つまり、人を誹謗・中傷するような書き込みを行っていると、将来の就職にもひびいてくるのです。必要のない書き込みをしない、誰かに見られて困るような書き込みをしないことが大事だと、篠原先生はおっしゃっていました。

 スマホやタブレットは、私たちが思っている以上に優秀で、位置情報などのさまざまな情報を細かく記録しています。そういった情報が、無料アプリを利用することでも漏れてしまうことがあるそうです。例えば、最近若者に人気の某ダンス動画を撮るアプリ。実は、なんとアメリカで一番危険なアプリに選ばれ、実際に禁止の流れが広がっているのだそうです。担任も知らなかったのですが、撮った動画というのは肖像権が放棄された状態となり、日本では見られなくても、世界中で自由に見ることができるのだそうです。しかも、その動画を撮ったり、「いいね」を押したりするだけで、居場所などの個人情報が流失しているようで、犯罪に巻き込まれる危険性がかなり高いというお話でした。もちろん、見るだけなら安全です。
 他にも、無料アプリは山ほど存在しますが、無料で多くの人に使ってもらう目的が必ずあります。例えば、位置情報。googleはポケモンGOのおかげで、世界中の地図を10年で作り上げたそうです。つまり、無料の代わりに、利用者は位置情報、行動情報をgoogleに合意の上で提供しているのです。暴力系や戦争系のアプリは、戦争国で戦場で戦える人材を育てるという目的があるそうです。もちろん、その目的を知った上で使用する分には何の問題もありませんが、「ただほど怖いものはない」という言葉通り、無料のものを利用する際には、きちんと目的を知ったうえで利用することが大切です。
 ちなみに、男子と女子で利用するアプリは違うようです。男子はほとんどがゲーム系なのに対し、女子は「かわいいね」「いいね」と誰かが言ってくれるものが人気なのだそうです。実際に、何の登録もなしに、知らない人と電話できる高評価(女子利用者ではなく、女の子と話したい男性が評価を上げている)の無料アプリがいくつも存在し、SNSを発端とした犯罪の多くが、こういったアプリが原因なのだそうです。そんなアプリがあることを担任も初めて知って、ゾッとしました。普通の感覚なら、知らない人と話したいとは思わないのですが・・・。
 また、篠原先生は、最近Youtube依存している子どもが多いという話もされていました。標準語で話したり、理屈っぽかったりするのがその典型だそうです。もちろん、Youtubeには有益な情報も多くありますが、問題なのは、見たい動画だけを見ているため、知識が偏るということです。1日に何時間Youtubeを見ているかを子どもたちに尋ねると、半数ほどの人が2時間以上と答えます。つまり、現代の子どもたちは、テレビよりもYoutubeを見て育っています。新聞も読まない、ニュースも見ないでは、世の中のことが分かるはずもありません(入試の時事問題も当然解けません)。
 今回の授業・講演会で、知識がないというのはすごく怖いことだなと感じました。子どもたちを守るため、まず我々大人たちがしっかりと学び、そして、子どもたちに安全な使い方を教えていかなければなりませんね。