〇推進主題

  「生徒の理(ことわり)」を生かした教育活動の推進

 

〇本年度重点主題

   多様な価値観を持つ生徒の相互啓発による学力の伸長

        ~多様な他者をうけいれ、他者の持つ知を取り入れ、自らを成長させる~

 

〇主題設定の理由

 

1、 グローバルな時代

 現代の社会はグローバルな視点で政治や経済における国家間の枠を超えて複雑に絡み合っている。その中ですべての人が幸福を享受できる、持続的な発展を可能とする社会を形成していくためには、価値観の違う他者を排除することなく、異なった価値観や、新たな知を受け入れ、咀嚼し自らの知を創造していかなければならない。また、相手を論破することに注力するのではなく、互いを高め合える方法を、見出していく必要がある。このような、従来型の学習では克服・解決できない問題に向き合うためのキー・コンピテンシーとして、「相互作用的に道具を用いる能力」「異質な集団で交流する能力」「自立的に活動する能力」が求められている。

2、 構成型コミュニケーション

 上記のことを実現するために、従来の伝達的コミュニケーションではなく、会話のやりとりの中で相手の反応によって次の発言が変わっていく構成型コミュニケーションが求められていく。教師の持っている知識をいかに学習者に伝達するか、ではなくいかに学習者と学習者をつなぐ、あるいは学習者と知識を対話することで豊かな学びが生まれる。たとえば単に板書をノートに写すだけではなく、ふり返りをすることで、自分の中にいったん落とし込んで、自分の言葉で語り直すプロセスを創っていくことを大切にしていくことが必要である。さらに、自分の考えを他者に伝える際の道具として、ICT機器を活用し、言葉のみでなく論拠を示し、文化の異なる他者に具体物を提示しながら、知を伝えていく方法を学ぶことも、重要になると考えている。

 

そのためには、以下の点を大切にしていきたい

1, 課題(目標)の明確化

 生徒に主体的に活動させるためには、目標を明確にし、共有化させる必要がある。さらに、学習の手順、見通しをきちんと示すことによってどうやったら目標に到達できるのかというロードマップが明確になる。

2, 個人の二つの責任

 あくまでもグループ活動をするけれど、個人の責任〈学習〉を最後まで問い続ける個人で考えた後、グループで考えて全体で共有していく場合も,個人とグループや全体の責任を意識させること

3, 参加の平等性、活動の同時性

たとえば、一人への発問するが、発問された一人の背後には他のクラスの全員がいる、発問されていない生徒も同様に考える、そういった授業を構築することで授業の質が高まっていく

4, 探求の単元づくり

 (1)生徒の実態を把握し(2)つけたい力〈達成目標〉と、どんな評価方法でそれを測るかということを明確化し、(3)教材を選ぶ(4)それが、現代社会の問題や生活に関わる問題であるか(5)どういう方法で学んでいくかをプログラムしていく。

 

本年度も昨年度に引き続き、生徒の学びの実態に根付く授業づくりに取り組み、「活動的(active)」、「構成的(constructive)」、「対話的(interactive)」に学べるように授業をデザインするとともに、自他の理の建設的相互作用を授業にとり入れることにより主体的に学び自立性の高い生徒の育成に取り組みたい。

※「生徒の理(ことわり)」:事象や課題に対する生徒の解釈過程とそこから生まれる解釈内容