伸びた枝

 高所作業車

枝をパッカー車へ 

信号機にかかりそうなけやき(写真1) 剪定中スッキリけやき(写真2)

剪定後パッカー車へけやき(写真3)

  まさか台風21号が・・ ここまでの被害をもたらすとは?校内でもいたるところに台風の爪痕を残しましたが、被害を押さえたのが高木の剪定(せんてい)でした。九中には10mを越える高木(こうぼく)がいたるところにあります。敷地からはみでた枝や信号機にかかりそうな枝(写真1)等はなんとかしたいもの。大胆に散髪したい。しかし、用務員さんにはこの高さ手に負えません。そこで、8月最終週に高木のせん定を造園業者にお願いしたのです。樹木剪定

 日本国憲法12条とけやき君

 屋根より高いのは鯉のぼりだが、校舎より高いのは九中の高木であった。4階の校舎を凌駕(りょうが)する。その高さと来たら、Jアラートのサイレンの高さよりも高い(左写真)。高木のたわわな葉っぱ達は生活に潤いと癒しを与えてくれ、真夏には木陰をつくってくれる。ありがたい。その一方で低木さんたちに陽があたらない、迷惑(旋盤・千番・千万)。秋の落ち葉も半端じゃない、そうじが大変。車道や歩道へ張り出した高木は、道路の見通しを悪くし信号機の邪魔。電線に触れれば事故に繋がる恐れもある。

 そう、ちょっとたかすぎ君なのだ。だがしかし、高木にだって生きる権利がある。切るには忍びない。うーん。そこで、日本国憲法第12条にご登場願う。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。」自由に伸びる権利があるからといって、他人の権利を侵害することは権利の濫用にあたるようだ。たぶん。日本国憲法では、基本的人権は、他人に迷惑をかけることなく国民みんなの幸せ(公共の福祉)を考えようぜ!なのである。「公共の福祉」は、3年生公民で10月に習う。

  けやき君14m伸びて 出すぎた木 信号機見え 夏終わる~

 「公共の福祉」のために憲法では自由権に一定の制約を定めている。正門横のたかすぎ君とは”けやき君”たちのことなのだが、自由奔放に成長していたのだった。約14mにまで成長した立派な木々である。枝振りもすごい。落ち葉もすごい。歩道にもはみだす。けやき君には悪いが、伸びる自由を制約し国民みんなの幸せ(公共の福祉)を考えて高さ14mを約10mに、敷地外にはみ出た枝振りを落とさせていただく。専門の造園業者に来ていただいた。

 高所作業車が来た。パッカー車も来た。パッカー車とは機械式ごみ収集車で収集ごみを自動的に押し込み圧縮する装置を備えている。プレスは強力であり、普通の家具などは難なく押しつぶす。だから相当な量の枝も大丈夫だ。ゴンドラにお二人が乗った(写真2)。下に人がいないのを確認する。グィーンと機械が伸び、高さ14mの枝をばっさばっさとせん定していく。

 まさか。出る杭は打たれるが、出すぎた杭は打たれない・・・出すぎたけやき君は、そう思っていたかどうかわからないが四方の枝が次々に落とされた。道路に越境している部分も落とされた。けやきの枝が道ばたに大量にたまる。仕上げの最後はやっぱり後かたづけだった。せん定した枝はけっこう太い。下から見上げた信号機はそんなに大きくないのに、地面に置いたら巨大だった・・・そんなかんじ。だが安心して欲しい。大量の枝はパッカー車で砕かれなんぼでも入った(写真3)。せん定後、見えにくかった信号は良く見えるようになった。Jアラートのサイレンと同じくらいの高さになった。・・・けやき君、台風21号の来襲を来週に控えていたとは知るよしもない。

見上げると 広く秋空 映える