1995年(平成7年)1月17日午前5時46分に、最大震度7の大地震が阪神・淡路に発生しました。ある日、突然、寒い真冬のまだ夜が明けない暗い時間に起きた大地震は高速道路をもなぎ倒し、10万5000棟もの建物や民家を倒壊させ、やがては方々で火災となって燃え広がり、大惨事となって、6434人の方々が犠牲になりました。

 何の前触れもなく、大切な家族を失った人の悲しみは、想像しきれないほどだと思います。

 あれから26年、人々は困難に負けず、街の復興を果たしてきましたが、未だに不自由な暮らしをしている人もいて愛する人を失った心の傷は癒えません。

 今、新型感染症の蔓延で苦しんでいますが、感染症については正体がわかってくるにつれて、私たちはまだ「予防」ができます。ある日突然の地震のような災害については、備えはできても「地震を止める」という予防はできません。それを思うと、「毎朝の検温・手洗い・マスク・蜜を避ける」ことで死者を減らせるのであれば、しっかり取り組まなければ、と思います。

 地震や感染症など、災害の種類は違っても、一人ひとりの命の重みは同じで尊いものです。「生きたくてもある日突然命を奪われた方のことを思うと、命を大切に、しっかり生きていかなくては、と思う。」と慰霊に訪れた人が語っていた言葉がとても心に残ります。