皆様方には、日頃より本校教育の推進にご理解ご協力いただきありがとうございます。南桜塚小学校は令和3年(2021年)11月、学校創立70周年の記念すべき年を迎えることができました。新型コロナウイルスの終息が見えない中、保護者・地域の皆さんとともにお祝いをすることはできませんでしたが、校歌を1日限りの「南桜塚小学校創立70周年記念オーケストラ」によるすばらしい演奏で残すことができました。

 2022年4月から成人年齢が18歳となります。中学校を卒業すれば、たった3年でおとなと言われるのです。たいへんです。この間、小中学生に聞いた様々なアンケート結果が報道されてきました。その中に「おとなに対するイメージ」を尋ねたアンケートがありました。8割から9割が「疲れている」「たいへんそう」7割が「楽しくなさそう」と答えていました。学校で日々ともに生活している教職員の姿がそう見えているとすれば、子どもたちと夢を語ることができるのだろうかと思ってしまいました。毎日を懸命に生きる子どもを裏切るおとな社会であってはなりません。おとなになるっていいなと思うことができるような生き方を私たちはしたいものです。

 子どもたちは、1年生から積み上げていく学びの中で、お互いに支えあう集団の力の大切さや、日常の中にある決めつけや排除に気づき、自分たちで解決していく力を身につけていきます。そして、卒業を控えた6年生は、身に着けた力をどう活かしていくか、「夢」を実現するためには何が必要かを仲間とともに考え、ゆっくりではあっても確実に成長していきます。

 私たち教職員は子どもたちの成長を願い、研究テーマ、だれもが「考え、行動し、学びたいと思える 授業づくり」を設定し取り組んできました。新学習指導要領が全面実施となった2020年4月前後から多岐にわたる授業内容を柔軟性をもって編成していく必要が出てきました。教職員にとって、ますます多忙となる中、研究授業などを実施していくことが大きな負担となってきたことは間違いありません。しかし、やめてしまおうとならないのは、誰もがさらに成長しようとする強い意志を持っているからだと思います。誰もが前向きになれる工夫をしながら、目標とするところを達成するために努力をつづけていきます。子どもたちには、弱いところ、ダメなところがいっぱいあっても、あるがままの自分を受け入れ、自分をかけがえのない存在、価値ある存在と認識できる肯定感を持って生きていってほしいと願っています。そして、他者の存在も、自分の存在も肯定できる人間に育ってほしいと思っています。真剣に、前向きに学校生活を送る子どもたちの存在は、私たち教職員にとって誇りであり、いっしょに学校生活を送り、教育活動に取り組むことができる私たちは本当にしあわせです。

 地域の方々との出会いの中で、子どもたちは自分の住む地域を好きになり、大切なふるさとと感じるようになっていきます。子どもたちにとって安心して学び生活できるふるさとは、おとなにとっても人を孤立させない、人がつながるいつまでも住み続けたいまちです。

 日頃よりご支援をいただいています保護者・地域の皆様、教育委員会をはじめ関係団体の皆様方に感謝申し上げますとともに、今後も、ともに温かなまちづくりを進めてまいりたいと思っています。南桜塚小学校は、長い歴史の中で培われた大事にしてきたことを継承しながら、さらに成長していきます。

 

校 長  橋本 直樹