欅の風  校長室便り  R元- 34     

 

              豊中市立第十六中学校 令和2年(2020年)1月10日  山野佳世子

          豊中市北条町3-18-1 TEL 06-6334-2841 FAX 06-6334-9763 

 

 

     3学期が始まりました。 2020年スタートです!

       本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 始業式のお話から…(抜粋) 

 

    

  今年最初のお話は、「今年一年『ありがとう』という気持ちを大切に過ごしてほしい。」というお話です。

  「ありがとう」― それは日常生活の中で多くの人たちと交わす言葉で、たったの五文字ですが、人間関係

  をスムーズにしてくれる、とても大切な言葉です。誰かから親切にしてもらってお礼を言う時、同じ「あり

  がとう」でも、内心“これぐらい、大したことない…”と思いながら言うのと、“おかげさまで、助かりまし

  た”と心からの感謝を込めて言うのとでは、相手に全く違うように伝わるのではないでしょうか。

  相手が喜び、お互いの絆を強めてくれるのは、やはり心からの感謝を込めた「ありがとう」ですね。

   

  ある学校で実際に行われている道徳の授業のひとコマです。

  「昨日の今の時間からここまでの24時間を振り返って、『ありがとう』と言えることを39個書き出してみま

  しょう」”39”という数字は“Thank you”からもじっています。

  昨日の今頃はどこで何をしていたか。晩御飯は何を食べたか。一つ一つの出来事を思い返してみると、

  『ありがとう』と言える場面や物事が見つかるかもしれません。

  特別な出来事だけに目を向けていては39個には届きません。

  いつものことだけど、家に帰ったら食事が用意されている。汚れた服が洗濯されている。生活を支えても

  らっている。よくよく考えると、帰る家があるというのも『ありがたいこと』なのかもしれません。

    そんなふうに、普段から当たり前のように存在していた身近な人や物事に対する「ありがとう」を、この機

  会にあらためて思い起こす人もいるかもしれませんね。

  

  毎日の生活は、嬉しいことや楽しいことばかりではありません。不愉快なこと、腹の立つこと、つらいこ

  と、悲しいこと、だれもが幾度となく直面するものです。しかし、「嫌なこと」の中に隠れている「ありが

  たいこと」があるかもしれません。それはどんなことなのでしょうか。

  困難に向き合ったおかげで、自分を振り返ることができ、改める点が見つかる。

  困難を乗り越えたら、人間としてひと回り成長できる。

  あるいは、平穏な日常の「ありがたさ」に気づくことができる。等々…

  実際にそうした困難に直面した時に心からそう思うのは大変難しいことだと思います。

  それでも、もしどんな出来事にも何かしらの前向きな意味を見いだして「ありがとう」という気持ちで受け

  止めることができたら、いつも明るく穏やかな気持ちで生活できるのではないでしょうか。

  「ありがとう」とは、「有ることが難しい」という意味で、言い換えると「当たり前ではない」ということ 

  です。与えられた状態を「当たり前」と思ってしまうと、ありがたみは見えにくくなるものです。

  世の中に「当たり前」はないはずです。日常に隠れている「ありがたいこと」の一つひとつに目を向け、そ

  のありがたみをしっかりと感じることが大切です。否定的な考え方から「ありがとう」は生まれません。

  何事にも感謝できる人は、前向きで、喜びをつくるのが上手な人です。

  39個の「ありがとう」を書き出して、一番身近な人に心からの「ありがとう」を言ってみませんか。

  

  新年にあたり、皆さんには、学校生活の中で、自分自身の心を育てながら、今年たてた自分の「目標」に向

  かって頑張ってほしいと願っています。