質の高い胸骨圧迫  質の高い協働作業  質の高い後片付け

専門家の胸骨圧迫(写真1)

専門家によるAEDの併用(写真2)

教職員による後片付け(写真3)

 テスト初日の21日、テストが終わって、「まだ明日があるさ」と生徒が下校した放課後・・・先生達は生徒のいない体育館で救命講習の研修です。過去に救命講習を受けている教職員は多いのですが人は忘れる生き物です。そこで、豊中消防署救命隊の方にきていただき、質の高い「人の命を救う」技術習得のため研修を実施しました。

救命講習  踏み出す勇気と救命の技術

 救命隊の方繰り返し学んでいただかないといざというときに役に立ちません。実際にその現場に出会ったとき、救命ができるかどうかは”踏み出す勇気”と”救命の技術”を持ってるかどうかです。」講習が始まった。倒れているのを発見し、消防署に連絡して救急車が到着するまでの時間は、全国平均9分、だそうだ。人間の脳細胞は酸素がなくなると3~4分で徐々にこわれてしまう。もし、あなたの近くで人が倒れたら・・・119番!その後は?救急車が来るまでの短くとも長く感じる9分をいかに過ごすか!頭が真っ白何したらいいかわからん?それでいいのか。その空白の時間を埋めるのが、救命処置だ。だが助ける側の命が最優先。この人を助けようとしたら自分の命が危ない!そういう場合はプロが来るのを待つ。本校では毎年1回3年生を対象に救命講習をおこなっている。ここまでは3年生の救命講習と同じだった。誰か!

 今、数十人の人が倒れていた(上写真)。周囲の安全を確認し、「もしもし~大丈夫ですか。そこのあなた!あなたです。あなた救急車を呼んでくださ~い。赤い服の人です!そこの青い服の人!AEDをお願いします!(右写真)」そこの誰か!ではダメ、具体に言わないと伝わらない。「きゅーちゃん119番に電話して。」次に呼吸の確認。呼吸がなければ胸骨圧迫にうつる。胸骨圧迫は救急車が到着するまで繰り返す。救命隊の方が見本を示してくれた(写真1)。さすがだった。

 教職員には質の高い胸骨圧迫が求められた。地面に垂直に肘をのばし約5センチくらい体を押す。腰を浮かし上半身の重みで押す。質が高い胸骨圧迫を目指せ。心臓の圧迫と解除が安定していると脳に血流が戻る。1分間に100回~120回のリズムで押す。人形の心臓をひたすら押す。1分は長い。救急隊員が到着するまで・・・もうだめ!そんな時はどうするか?心肺蘇生に心配はいらない。1分やれば交代する。気道確保のため人工呼吸も胸骨圧迫の間に入れると効果的だ。AEDとの協働作業も学んだ(写真2)。ついに息を吹き返した(つもり)。わたしが助けた!!

  AEDが命を救う。AED待って命つながる救いの手~

 AEDの使い方も改めて確認した。AEDとは、心臓の動きを自動的に解析し、必要に応じて電気的なショック(除細動)を与え、心臓の働きを戻すことを試みる医療機器である。使い方は、電源を入れ、電極パッドを胸に貼り付けると心電図を解析し、電気ショックが必要かどうか調べる。電気ショックが必要と解析した場合は、指示に従ってスイッチを押すと、機械が自動的に電気ショック(除細動)を行う。救急隊の方が”人形”を相手にお手本を示した。”人形”にパッドを貼った。自動音声。・ーコネクタを接続してくださいー ・ー解析中ー ・ーショックが必要ですー 心臓がけいれんしている状態であると機械が判断したのだ。すぐに、ボタンを押す!・ー離れてくださいー 周囲を確認し離れてボタンを押す。で、再び、胸骨圧迫をおこなう。確かに覚えた。だがまた忘れるだろう。忘れる前に今日の研修を体に染みこませたい。救命隊の方に感謝しつつ皆で”蘇生した人形”をかたづけた(写真3)。

技術得て勇気を出して救いの手