学校長   少年院の取り組み2  浪速少年院

講師紹介(写真1)

少年院とデータ説明(写真2)

少年院概要の説明(写真3)

    

   ~ 非行少年の健全育成 ~    

満員の体育館healthy development

 学年末テストの中日。九中生が、鉛筆をかりかり、頭の中をぐりぐりとかき混ぜ数学(1,3年)や社会(2年)の問題を必死に解いていた頃、地域の大人の方も学んでおられました。九中校区保護司会 ・健全育成会・地域教育協議会主催の家庭教育講演会が10時から九中体育館でおこなわれていたのです。講師には、浪速少年院の重松弘院長先生におこしいただき―非行少年の健全育成と社会復帰を目指して―~少年院の取り組み~ についてご講演いただきました。

少年院といえば・・・ 体育館には、地域や校区小中学校の保護者の方約300名が駆けつける。ほぼ満席。校長先生が講師の先生の紹介をなされる。(写真1)お世話になります。・・・いや、少年院にはあまり、お世話になりたくない・・・が、今日はしっかりとお世話にならねば、少年院とはどんなところなのか?凶悪な事件をおこした少年の家庭状況は?少年院の中でどのような生活を送っているのか?さまざまな疑問の答えを院長先生のお話のなかに見いだしたい。

院長先生「少年非行は数的にはやや、減少傾向ですが、その中で、低年齢少年の非行が激増しています。すなわち、人格が未熟であり、手がかかる、細やかな手当が必要な者が多いということです。非行の内容については、薬物非行や暴走族などは減少しているものの、低年齢少年の窃盗、凶悪・粗暴犯等が増加してます。家庭の状況についてですが、在院者の保護者が母親のみである者がこのところ増加しています。母子家庭の場合、特に貧困にいたることも多く、家庭の監護力が低下していると推察されます。加えて、少年院の現場の実感としては、対人関係調整能力が低い者、すぐかっとなる者、自己表現力に欠ける者、基礎学力に欠ける者などが増加している実感があります。

・・・家庭での子どもとの情緒的交流に関していえば、ある調査によると子どもを口うるさく叱った。子どもとの会話がすくない。子どもに好きなようにさせていた。夫婦の子どもの育て方の方針が一致していなかった。などがあげられます。

少年院では・・・少年院は罰するところではありません。少年法に基づき、どうやったら少年の健全育成に結びつくか、教育をし、個別の処遇計画ををたて、反省も含めて問題が解決できるかどうかを判断してから、出院させるのです。保護観察処分の対象者が再犯する率は、有職者より無職者のほうが5倍も高いのです。だから、就労支援の充実が大切です。手に職をつける、資格をとらせることもします。また、出院者にきてもらっての講演も効果があります。自分たちの先輩ですから説得力があるのは当然ですが。出院前には、皆の前で発表をおこないます。『浪速少年院に入院してから1年がたとうとしています。虚勢をはり非行に走り・・・被害者に心からの謝罪を続けていきます。本当にごめんなさい。』

 少年院の本質は『全人格的関わりのなかでの育てなおしである』と私は思います。教官達は、自分たちが最後のとりでだということを知っており、背水の陣で、24時間教育にあたってくれています。育てなおしの基本は、例えば、ならぬもんはならん(父性的なもの)とすべてを受け入れる(母性的なもの)この2つのバランスがとても重要だと考えます。」

 少年院に行かない・・・院長先生は、最後に「我が子を非行化させる秘訣十カ条」を提示してくださった。反面教師である。なるほどという内容だった。そのうちの3つ。

第1条・・・しつけと称し、理念やアフターケアのない体罰・虐待などが行われれば理想的 子どもとスキンシップや対話をすることなどはもってのほか。

第5条・・・内から鍵のかかる個室を与え、パソコンやテレビ等も完備の上「プライバシー」を尊重し 関わりは最小限にすること 学校や友達の話をすることなどは厳禁。

第7条・・・何かうまくいかないことがあれば 必ず他人のせいにするよう訓練するべし「うちの子に限って」の強い信念の下、親自ら他罰的にふるまうこと。

 会場の方々は、熱心にメモをとられ耳を傾ける。院長先生は豊富なデータをいくつも提示され、(写真2ほっとする院生のグループ作品も紹介してくださるなど少年院に対する疑問の答えを氷解してくださった。舞台にあがってまで(写真3)少年院への愛情あふれるお話いっぱいに、寒かった心がぬくもった気がした。体育館も。

全人格的関わりのなかでの育てなおし

浪速少年院 院長先生