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 全国学力・学習状況調査から見える六中生の課題

 4月18日(火)に実施されました全国学力・学習状況調査(中3対象)の結果が届きました。新聞等でも全国的な状況として、底上げされてきている部分もあるが、応用力にはまだまだ課題がある等の報道がされていました。個人票については、先日子どもたち(中3)に返却していますので、各自の課題等については見ておいてほしいと思います。ただし、この調査結果はあくまでも学力や学習状況の一部であり、生徒の学力状況や教育活動すべてを表すものではありません。その上で、六中生の全体的な状況や課題等について、この紙面を借りてお知らせします。

 

【1】  教科にかかる結果概要について

<国語>

  学習指導要領の領域でいえば「読むこと」(評価の観点では、「読む能力」)が一番課題が見られる。「国語の勉強は好きですか」では、「当てはまる」が、府・全国と比べて少し高いが、「どちらかといえば当てはまる」も含めると少し低くなる。「国語の勉強は大切だと思いますか」「国語の授業の内容はよく分かりますか」では、「当てはまる」「どちらかというと当てはまる」を合わせると府・全国と比べて低くなっている。

<数学>

  学習指導要領の領域でいえば、「数と式」が一番課題となり、また「資料の活用」(A)は少し高くなっている。「数学の勉強は好きですか」では、「当てはまる」「どちらかという当てはまる」と合わせると府・全国と比べて低くなっている。「数学の勉強は大切だと思いますか」「数学の授業の内容はよく分かりますか」では、「当てはまる」「どちらかというと当てはまる」を合わせると、府・全国より低くなっている。

 

【2】  基本的生活習慣について

  基本的生活習慣については、この間、少し改善傾向がみられたが、また少し元に戻りつつある。「朝食を食べていますか」「同じくらいの時刻に寝ていますか」「同じくらいの時刻に起きていますか」では、「できてないポイント」が、府・全国と比べると高い。「早寝・早起き」の習慣については、府や全国と比べると課題が見られる。

  また「1日当たりのケータイ・スマホの時間」では、4時間以上が府・全国と比べて高くなっている。このようにスマホ・ケータイ等の長時間の使用は、府・全国と比べてかなり高く、あわせて多くの六中生がスマホ等を持っている状況でもあり、学習の定着面にも影響がみられているのではないかと考えられる。(依存に陥らないように注意が必要である。)

 

【3】  自己肯定感について

  課題となっていた「自分には、よいところがあると思いますか」では、「当てはまる」が府・全国と比べて初めて高くなった。しかし一方「当てはまらない」も、府・全国と比べて高くなっているのが気がかりである。「学校に行くのが楽しい」や「友だちとのかかわり」にかかわる項目では、府・全国と比べても高い数値となっている。

 「難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦していますか」「夢や目標を持っていますか」では、「当てはまるポイント」が、府・全国と比べ低くなっている。「友達の話や意見を最後まで聞くことができますか」では、「当てはまる」が府・全国より高くなっているが、「自分の考えや意見を発表することは得意ですか」の項目では、「あまり当てはまらない」は、府・全国と比べて高くなっている。自己肯定感の項目についても、上向きの傾向がみられるが、まだまだ自分に自信のない層が厚い状況は変わらず、「チャレンジ精神」が弱く、「夢や目標」値も少し低い。

 

【4】  家庭学習について

  家庭学習の習慣については、昨年度と比べると少し落ちているが、「授業以外での勉強時間(平日)」では、「全くしない」は、府・全国と比べても低い数値をキープしている。しかし「3時間以上」は、府・全国よりも低くなっている。また、「家で計画を立てて勉強しますか」では、「全くしない」が、府・全国と比べて高くなっている。

 「学習貯金ノート」等の取り組みで「宿題」や「復習」の項目は何とか頑張っているものの、「自分で計画をたてて勉強する」や「予習をする」等の項目では、「全くしない」層が府・全国と比べても高い状況であり、自主的な取り組みが弱いことがわかる。

 

【5】  学校活動と人間関係について

 「学校に行くのは楽しい」では、「そう思う」が、府・全国と比べて高くなっているが、「そうは思わない」でも、府・全国と比べて少し高くなっている。また「友達に会うのは楽しい」や「友だちどうしで話し合って学級のきまりなどを決めている」では、「そう思う」が、府・全国と比べても高くなっている。「学級みんなで何かをやり遂げうれしかった」では、「当てはまる」が、例年通り府・全国と比べて高くなっている。「いじめは、どんな理由があってもいけないと思う」では、「当てはまる」が、府・全国と比べて高くなっており、「いじめ」に対する認識も高くもっており、まわりと折り合いをつけていこうという姿勢は強い。「人の役に立ちたい」「人が困っているとき助けたい」等の項目は、府・全国と比べて低い状況がみられる。学級等で話し合ったり、協力して取り組んでいる実感は強く、その達成感も強くもっている。一方で、他者との関係づくりについては消極的な面がある。

 

【6】  授業づくりについて

  授業づくりにかかわっては、ほぼすべての項目で高い傾向がみられる。SE事業の取り組みが浸透しつつあり、生徒たちも実感している部分が大きいと思われる。「学級やグループの中で、自ら考え自分たちから取り組んでいたか。」「生徒間の話し合い活動」「自分で課題を立て、情報を整理して発表するなどの活動」「話し合いを通じて、自分の考えを深めてり広げたりできている」では、「当てはまる」が、府・全国と比べて高くなっている。グループ活動等での話し合いについては、実感している状況が見られるが、自分の考えを書くという学習活動については難しさを感じている。「授業のはじめに、ねらいが示されていた」「授業の最後の振り返り」では、「当てはまる」が、全国的に上昇傾向がみられ、六中も府と比べると高い数値を示している。逆に「当てはまらない」は、府・全国と比べて高くなっているのが課題である。

 

  71期生の全体的な特徴として、多くの項目において2極化の傾向がみられる。「当てはまる」という強い肯定が府・全国と比べて高い項目で、一方では「当てはまらない」が少し高くなっている傾向がある。生活習慣や学力面では、やや減少傾向がみられたが、授業づくりにかかわる項目では、府・全国と比べても高い傾向がみられた。これは、府のスクールエンパワメント事業の授業づくりの取り組みが浸透しつつあることとだと思われる。