であいとつながりをもとめて

  全国学力・学習状況調査を通してみえる六中生の課題

 本年4月22日に実施されました全国学力・学習状況調査の結果についての分析を行いました。この調査結果は、あくまでも学力や学習状況の一部であり、生徒の学力や学習状況、教育活動すべてを表すものではありません。それをふまえた上で、学校と家庭・地域が課題を共有し、連携を深めて取り組んでいくことを目的として、お知らせしたいと思います。

【1】  国語・数学について

<国語>

○学習指導要領の領域でいえば「読むこと」(評価の観点では、「読む能力」)についてはまずまずだが、「書くこと」(評価の観点では「書く能力」)に課題がある。

○「国語の勉強は好きですか」、「国語の勉強は大切だと思いますか」、「読書は好きですか」では、肯定的評価が高くなっている。

<数学>

○学習指導要領の領域でいえば、関数及び資料の活用に課題が見られる。

○「数学の勉強は好きですか」、「数学の勉強は大切だと思いますか」ではあまり高いとは言えないが、「解き方や考え方が分かるようにノートに書いていますか」では、肯定的評価が高くなっている。

【2】  朝食を食べてこないことをはじめ、基本的生活習慣が確立されていない層が多い。

○「朝食を食べていますか」、「同じくらいの時刻に寝ていますか」では、「できてないポイント」が高くなっている。

○「1日当たりのテレビやビデオ等見る時間」、「1日当たりのケータイ・スマホの時間」では、4時間以上の数値が高くなっている。

【3】  宿題はもとより、予習・復習等家庭学習が全くできていない層がかなり多い。

○「授業以外での勉強時間(平日)」、「土日の勉強時間」では、「しない」との回答がかなり高くなっている。

○「家で計画を立てて勉強しますか」、「学校の宿題をしていますか」、「家で予習・復習をしていますか」では、「していない」との回答もかなり高い。

【4】  みんなで協力して取り組んだ時の達成感は大きくもっているが、なかなか自分の悩みや思いを出せないでいるように思われる。

○「学級みんなで何かをやり遂げうれしかった」では、「当てはまる」が高い数値を示しているが、一方で「悩みを誰に相談することが多いですか」では、「誰にも相談しない」という数値が高くなっている。

○「自分には、よいところがあると思いますか」では、「あまり当てはまらない」ポイントが全体的に高く、自己肯定感の低さが見られる。また「自分の考えや意見を発表することは得意ですか」、「夢や目標を持っていますか」でも、「あまり当てはまらない」が高くなっている。

【5】  自分たちの考えを出し合ったり、深め合ったりする学習活動がまだまだ組み立てられていないことは、授業づくりの課題である。

○「自分で課題を立て、情報を整理して発表するなどの活動」、「自分の考えを発表する機会が与えられた」、「生徒間の話し合い活動」では、「当てはまる」の数値が低くなっている。

○「授業のはじめに、ねらいが示されていた」、「授業の最後の振り返り」でも、「当てはまる」の数値が低くなっている。

◆取り組みの方向として

 上記に示したような「六中の子どもたちの現状」については、小中合同研修会で出されていた課題と重なり、そこで確認された「つけたい力」が「自分をあきらめず、人とつながり行動できる力」の育成であった。そのことをふまえ、具体的には下記の内容について取り組みをすすめていく。

(1)授業以外での勉強時間があまりにも短い。家庭学習を推進するための取り組み(家庭学習ハンドブック・1年学習貯金ノート等)と授業外での支援(3年放課後学習会・日曜学習等)の取り組みを引き続きすすめていく必要がある。

(2)生徒会を中心とした取り組みの中で、「仲間の輪」を大事にしているが、一人ひとりの自己肯定感が少し低く、自信がないので思いがなかなか出せないでいる。

さまざまな活動や取り組みを通して、「やればできる」という達成感を持たせるとともに、自分の思いや考えを出しあえる場づくりが必要である。

(3)授業をはじめ、あらゆる活動において言語活動の充実・アレコレ考える力の育成が必要である。そこで今年度は、六中の子どもの現状をふまえて、「自己肯定感を育てる授業づくり」というテーマで授業研究をすすめ、授業力向上をめざす。子どもたち一人ひとりが、授業の中での居場所を実感することで、学習に向かう姿勢や意欲を高め、前向きにチャレンジしていく力をつけることをめざす。

 

授業力向上をめざして=第1回授業研究会 10月29日(水)

「自己肯定感を育てる授業づくり」をテーマに、授業研究会を実施します。今回は、3年国語の教科(単元「万葉・古今・新古今」)で、古の人が詠んだ和歌に込められた思いをどう読み取るのかという授業内容です。授業の中で意欲的に自分の考えを持ち、それを認められる場の設定をすることで、積極的に考えをすすめ、内容の理解を深めることで、自己を肯定することにつながればとの考えで授業展開をしていきます。教職員全員がその授業を参観し、その後の研究協議で学びあいを深めていくことで、自分自身の授業づくりに生かしていければと考えています。(10/30~11/19 公開授業週間=教職員が学びあう)

 

 

◆チャレンジテストの実施について

 今年度より、大阪府教育委員会が1・2年生を対象にチャレンジテストを下記のとおり実施することになりました。(詳細は、別紙「リーフレット」を参照してください。)

日 時 : 1月14日(水)

内 容 : 1年 = 国語、数学、英語 の3教科

2年 = 国語、社会、数学、理科、英語 の5教科

 この調査の結果の活用については、今年度の結果を見て、今後検討していくと聞いています。もう少し詳細がわかった段階で、改めてご説明させていただきます。